重曹とクエン酸のモコモコ風呂掃除は落ちる?清掃業者が試した結果

重曹とクエン酸を使ったモコモコ風呂掃除の材料
SNSで話題になっている、重曹とクエン酸を使ったモコモコ風呂掃除を実際に再現しました。

こんな疑問はありませんか?
  • 重曹とクエン酸のモコモコ泡で、本当に汚れが落ちる?
  • 泡が多いほど洗浄力も高くなる?
  • 食器用洗剤を入れるのはなぜ?
  • お風呂の排水口や床に使っても大丈夫?
  • 塩素系のカビ取り剤と一緒に使える?

SNSで見かける、重曹とクエン酸を使った「モコモコ風呂掃除」。ぬるま湯を流した瞬間に泡が広がるため、見た目にはとてもよく落ちそうです。

そこで今回は、清掃業者のOno Clean Serviceが実際に同じような手順を再現しました。

先に結果をお伝えすると、泡は勢いよく広がりましたが、約7分後にはほとんどなくなりました。また、今回は施工前に目立つ汚れがなかったため、「この方法で汚れが落ちた」とまでは判断できません。

今回の結果

モコモコ泡が発生することは確認できました。ただし、泡が多いことと、汚れがよく落ちることは同じではありません。今回確認できたのは「発泡の様子」と「約7分後に泡が消えたこと」までです。

重曹とクエン酸のモコモコ風呂掃除を試した結果

確認項目 実際の結果
発泡 ぬるま湯を流した直後、一気に泡が広がった
泡の持続 約7分後にはモコモコ泡がほとんどなくなった
汚れ落ち 施工前に目立つ汚れがなく、今回は評価できなかった
プロとしての判断 泡の量だけで洗浄力を判断しない方がよい

今回は、泡の動きを確認するため、浴室床の排水口まわりへ材料を広げました。ただ、元の床に比較できるほどの汚れがなかったため、ビフォーアフターとしては成立していません。

ここを曖昧にして「きれいになった」と書くと、泡の見た目だけを洗浄効果として伝えることになります。今回の実演は、モコモコになる現象を確認する検証としてご覧ください。


プロ目線|検証できた範囲を分けて考えます

今回確認できたのは発泡と泡の持続時間です。汚れ落ちを判断するには、汚れの種類と程度をそろえ、施工前後を比較する必要があります。泡が出たことだけで「落ちた」とは判断しません。

今回使ったものと手順

動画では、次の材料を使用しました。

  • 粉末の重曹
  • 粉末のクエン酸:大さじ1杯
  • 食器用中性洗剤:1プッシュ
  • ぬるま湯:300ml
  • ブラシ
モコモコ風呂掃除に使用した重曹、クエン酸、食器用洗剤
今回使用した重曹、クエン酸、食器用中性洗剤です。

1.排水口まわりへ重曹を振りかける

最初に、浴室床の排水口まわりへ粉末の重曹を振りかけました。今回は汚れ落ちの比較ではなく、発泡の様子を確認するために広めに使用しています。

浴室床の排水口まわりへ重曹を振りかけた状態
排水口まわりへ粉末の重曹を振りかけました。

2.食器用洗剤を1プッシュ加える

次に、食器用中性洗剤を1プッシュ加えました。重曹とクエン酸だけでも発泡しますが、今回の大きなモコモコ感には、食器用洗剤の泡立ちも重なっていると考えられます。

つまり、画面いっぱいに広がる白い泡が、すべて重曹とクエン酸の反応だけでできているわけではありません。

3.クエン酸大さじ1杯をぬるま湯300mlに入れる

計量カップへ食器用洗剤とクエン酸大さじ1杯を入れ、ぬるま湯300mlを加えました。

使用前に確認してください

今回の分量は、動画の発泡を再現するために使用したものです。浴室メーカーや洗剤メーカーが、すべての床材・排水部品へ推奨している配合ではありません。実際に試す場合は、床材や金属部品の取扱説明書と製品表示を先に確認してください。

4.重曹の上へ流す

作った液を重曹の上へ流すと、すぐに白い泡が広がりました。見た目の変化が大きいため、「汚れが分解されている」と感じやすい場面です。

重曹とクエン酸の反応で浴室床にモコモコ泡が広がった状態
ぬるま湯を流した直後、浴室床へ一気に泡が広がりました。

5.約7分後に泡の状態を確認する

約7分後に確認すると、最初に広がったモコモコ泡はほとんどなくなっていました。その後、水で十分に洗い流しています。

モコモコ風呂掃除から7分後に泡がほとんど消えた浴室床
約7分後には、モコモコ泡がほとんどなくなりました。

モコモコ泡の正体は何?

重曹は弱アルカリ性、クエン酸は酸性です。水分を加えて両方が反応すると、中和が進む過程で二酸化炭素が発生し、シュワシュワと泡立ちます。

ただし、中和が進むと、重曹が持つ弱アルカリ性と、クエン酸が持つ酸性の働きは、そのまま単独で使う場合より弱くなることがあります。

さらに今回は食器用洗剤を加えているため、二酸化炭素の発泡に、食器用洗剤の泡が重なっています。泡の量だけを見て、重曹やクエン酸の洗浄力が強くなったとは判断できません。


プロ目線|泡は判断材料のひとつにすぎません

泡には、洗剤を汚れへ広げたり留めたりする役割があります。しかし「泡が多い」「勢いよく発泡した」という見た目だけでは、どの汚れに反応したのか、どこまで落ちたのかは分かりません。掃除では、施工前後の汚れを見て判断します。

重曹とクエン酸は混ぜるより、汚れで使い分ける方が分かりやすい

浴室には、性質の異なる汚れが同時に付着します。全部をモコモコ泡ひとつで落とそうとせず、残っている汚れに合わせて洗剤を選ぶ方が効率的です。

気になる汚れ 最初に考える方法 判断のポイント
軽い皮脂・日常汚れ 浴室用中性洗剤、または使用可能な重曹 洗剤とブラシが床の凹凸へ届いているか
軽い水垢 使用可能なクエン酸や水垢用洗剤 金属・天然石・コーティングへの影響を確認する
髪の毛・固形のゴミ 先に取り除く 泡だけで流そうとしない
排水口部品のぬめり 部品を外し、中性洗剤とブラシで洗う 溝や裏側まで道具が届いているか
黒カビ 素材へ使用可能なカビ取り剤を単独使用 クエン酸と同時に使わない

軽い汚れなら改善する場合はありますが、硬く固着した水垢、厚い石けんカス、排水管の奥の詰まり、素材へ染み込んだ黒ずみまで、モコモコ泡だけで完全に戻るとは限りません。

モコモコ風呂掃除が向いている場面・向いていない場面

向いている可能性がある場面

  • 排水口まわりの軽い汚れを定期的に掃除したい
  • 狭い溝へ液を広げる補助として発泡を使いたい
  • 重曹やクエン酸が使用できる素材だと確認できている
  • 最後にブラシ洗いと十分なすすぎまで行える

向いていない場面

  • 硬く固まった水垢や鏡のウロコを落としたい
  • 排水管の奥で流れが悪くなっている
  • 髪の毛や固形物が詰まっている
  • 黒カビを除去したい
  • 天然石、酸やアルカリに弱い金属、コーティング面へ使いたい
  • 直前に塩素系のカビ取り剤を使った

必要のない作業まで増やす必要はありません。排水口まわりの軽い汚れなら、中性の浴室用洗剤とブラシで十分なこともあります。

クエン酸と塩素系洗剤は絶対に混ぜない

重要な安全注意

クエン酸、酢、酸性洗剤と、塩素系のカビ取り剤・漂白剤は絶対に混ぜないでください。有害な塩素ガスが発生する危険があります。浴室で塩素系洗剤を使った後にクエン酸を使う場合は、十分に水で洗い流して換気し、不安があれば同じ日に続けず別日に分けてください。

国民生活センターは、浴室で塩素系洗浄剤とクエン酸を同時に使用し、体調不良や救急要請につながった事例を紹介しています。泡掃除を始める前に、排水口や床へ別の洗剤が残っていないかも確認してください。

実際に試して分かったこと

今回いちばん分かりやすかったのは、ぬるま湯を流した直後の発泡です。動画としては変化が大きく、掃除した実感を得やすい方法だと思います。

一方、約7分後には泡がほとんどなくなりました。元の床に目立つ汚れがなかったため、発泡前後で洗浄力の差は評価できませんでした。

掃除では、派手に反応したかではなく、汚れの種類を見切れているかが大切です。モコモコになっても汚れが残るなら、掃除が下手なのではありません。落としたい汚れと、選んだ方法が合っていないだけかもしれません。

今回の結論

重曹とクエン酸のモコモコ風呂掃除は、発泡の様子が分かりやすい方法です。ただし、泡の量だけで洗浄力は判断できません。軽い排水口まわりの掃除には使える場合がありますが、頑固な汚れには、汚れの種類に合う洗剤を単独で使う方が分かりやすいと考えます。

重曹とクエン酸のモコモコ掃除でよくある質問

重曹とクエン酸を混ぜる掃除は意味がないのですか?

まったく意味がないとは言い切れません。発泡によって液が広がり、軽い汚れを浮かせる補助になる場合はあります。ただし、中和が進むため、重曹とクエン酸をそれぞれ単独で使う時と同じ洗浄力を期待しない方がよいでしょう。

泡が多いほど、汚れもよく落ちますか?

泡の量だけでは判断できません。今回の実演では食器用洗剤も加えているため、見えている泡には食器用洗剤の泡立ちも含まれます。施工前後の汚れを比較して確認する必要があります。

食器用洗剤を入れる理由は何ですか?

今回の手順では、モコモコした泡を作りやすくする目的で加えました。ただし、食器用洗剤は製品ごとに用途や成分が異なります。浴室へ使う場合は製品表示を確認し、使用後は十分に洗い流してください。

何分放置すればよいですか?

今回は約7分後に泡がほとんどなくなりました。長く置けば洗浄力が上がるとは限らず、素材への影響や洗剤残りも考える必要があります。製品表示と浴室設備の取扱説明書を優先し、長時間放置しないでください。

熱湯を使った方がよく落ちますか?

熱湯は必要ありません。排水部品や配管、床材を傷める可能性があるため、今回はぬるま湯を使用しました。設備の耐熱温度が分からない場合は、取扱説明書を確認してください。

カビ取り剤を使った直後でもできますか?

おすすめしません。クエン酸と塩素系カビ取り剤が混ざると危険です。十分に水で洗い流して換気し、不安がある場合は別の日に分けてください。

参考にした公式情報

Ono Clean Service

この記事を書いた人

Ono Clean Service。大阪を中心に水回り清掃や空室清掃を行っています。SNSで話題の掃除方法も、泡の見た目だけで判断せず、実際に確認できた範囲と汚れに合う方法を分けてお伝えします。


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