掃除屋日々是好日 #029

掃除屋の名刺に「美空間演出家」と入れた理由

掃除屋の名刺に「美空間演出家」と入れた理由

この仕事を始めて数年が立ち、自分の立ち位置をふと考える時がありました。

自分は、ただの掃除屋なのだろうか。

もちろん、汚れを落とす仕事です。床を洗い、ワックスを塗り、エアコンを洗い、汚れた場所をきれいにする。それが清掃の仕事であることは間違いありません。

でも、現場に立つたびに、どこかで「自分が整えているものは、汚れだけではないのではないか」と感じるようになりました。

掃除は手段であって、目的は心と空間を整えること

深掘りしていくと、ひとつの答えにたどり着きました。

掃除は手段であって、お客様の心や過ごす環境を整えることが目的なのではないか。

店舗であれば、お客様が入りやすい空気。

クリニックであれば、患者さんが安心できる清潔感。

ご家庭であれば、「汚れていて恥ずかしい」と感じていた気持ちが、少し軽くなる空間。

床のツヤが戻ると、空間の印象が変わります。水まわりが明るくなると、気持ちも少し軽くなります。汚れが落ちることで、その場所にいる人の表情まで変わることがあります。

そう考えると、掃除はただの作業ではなく、空間の印象を整える仕事なのだと思うようになりました。

「美空間演出家」という言葉にたどり着くまで

色んな人の名刺に書かれている肩書きを見るたびに、どこか違和感を持っていました。

肩書きで自分を大きく見せたいわけではありません。

ただ、自分がこの仕事で何をしているのかを、ちゃんと言葉にしたかったのです。

掃除屋。清掃業者。ハウスクリーニング業者。

どれも間違いではありません。

でも、自分の中では少し足りない気がしていました。

現場で見ているのは、汚れだけではありません。そこに流れている空気、使う人の気持ち、来られる方の印象、毎日過ごす環境。

そこまで含めて整える仕事だと気づいた時、目の前に光が差し込むように、自分の立ち位置が明確になりました。

そして名刺に入れた言葉が、「美空間演出家」でした。

現場は舞台、洗剤は役者

現場は舞台、洗剤は役者。

そう考えると、清掃の仕事はとても奥が深いです。

同じ汚れに見えても、原因は違うことがあります。同じ洗剤を使っても、素材や状態によって結果は変わります。

だから、ただ強い洗剤を使えばよいわけではありません。

その場所に合った役者を選び、タイミングを見て、空間が一番きれいに見えるように整えていく。

水の流れ方、乾き方、洗剤の効き方、床の表情。現場に立っていると、そういう小さな変化を感じることがあります。

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、長くこの仕事をしていると、水と会話しているように感じる時もあります。

それくらい、現場には毎回違う表情があります。

これからも、美空間演出家として

これからも、それぞれのお客様の舞台に立たせていただく気持ちを忘れずに、空間を整えていきたいと思います。

ただ汚れを落とすだけではなく、その場所で過ごす方の気持ちが少し明るくなるように。

「頼んでよかった」だけではなく、「相談してよかった」と思っていただけるように。

掃除を通じて、心と空間を整える。

これが、私が「美空間演出家」として現場に立ち続ける理由です。

この考え方に共感してくださる方と、長く気持ちよくお付き合いできれば嬉しく思います。

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この代表日記は、小野クリーンサービスの仕事観につながるヒストリーの第4章です。


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